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日本の政治システムが引き起こす民主主義の機能不全

以下、政治と官僚の関係および利益集団に着目して、日本の政治の問題点を述べる。

1 日米英独仏で比較した政治と官僚の関係についての日本の特徴と問題点


1)各国の政治と官僚の関係

? アメリカ合衆国

猟官制度(スポイルズ・システム)により、官僚の中でも上層部にあたる高級官僚が政権交代とともに大幅に入れ替わる。そして、政策の重要な方向性は、大統領を始めとするホワイトハウスのスタッフと各省の長官、そのように政治任用された高級官僚たちによって決定される。つまり、アメリカ合衆国においては、政治家による官僚への影響は大きく、政治が官僚を支配しているといえる。理由としては、大統領制により一定期間の政権が保障されており、政治情勢が比較的安定していることが挙げられる。通常、一流とされる大学を出た者の中で政治任用される者以外の一般の官僚への人気は低く、これらの官僚の社会的地位は、日本ほど高くはないといえる。


? イギリス

 以前は、アメリカ合衆国と同様に猟官制度が根付いていたが、現在はほとんど残ってはいない。しかし、政治が官僚を支配していることには変わりなく、政治の方向性は下院の多数派である与党と大臣などの政治家によって決定される。理由としては、長期政権が多く、政治情勢が安定していることが挙げられる。官僚たちの社会的地位は、アメリカ合衆国と同様かそれ以下となっている。


? ドイツ連邦共和国およびフランス

 政治が官僚の人事に及ぼす影響は、アメリカ合衆国やイギリスのように高くない。但し、出世において政治家や政党とのコネがものをいうときがある。官僚の政策を及ぼす影響は、日本より小さいが、アメリカ合衆国やイギリスよりは大きいといえる。理由としては、多党制により政権や内閣の交代が多く、政治情勢が安定していないことが挙げられる。特に、フランスではENA出身の官僚の影響力が大きい。官僚の社会的地位は、高いといえる。


? 日本

 官僚の権限が大きく、社会的地位は高い。行政ではなく、内閣提出法案の作成を通して、立法においての官僚は実際の政治を支配し、政治家である議員はそれに追従している部分が強い。人事においても、官僚機構内部で決まることが多い。理由としては、自由民主党が政権与党の座を死守し続けているが、内閣の交代が頻繁であり、政治が省庁を掌握しきれないことが挙げられる。


2)日本の特徴と問題点

 つまり、以上をまとめると日本は米英独仏と比べ、

・ 政治の官僚の人事への影響力は弱い
・ 実際の政策への官僚の影響力は強い
・ 結果、官僚の社会的地位は高い

といえる。

 つまり、選挙などによって議員の構成に民意が現れても、人事などを通して実際の政策を行っている官僚へそれが働くことがない。逆に議員は、官僚の政策を承認しているだけである。よって、日本では、このような官僚のシステムが、行政・立法両方において、他国に対して比較的民主主義が機能していないといえる。




2 利益集団の圧力活動の特徴と現代日本の利益集団の特徴と問題点


1)利益集団の定義

利益集団とは、同じ利益を目的とする個人や団体が、その利益を実現させるべく立法や行政に働きかけるために結集した団体である。選挙における投票行動という実力をもって立法や行政に圧力をかけるので、圧力団体とも呼ばれる。




2)圧力団体の具体例

圧力団体は、選挙における票や支援を強みに行動するため特定の支持政党を持つことが多い。通常の選挙区選挙では、その政党の候補者を支援するだけで、その見返りとして、自分たちに有利な政策を働きかける。また、全国的に大量の票が必要となる参議院比例代表選挙によって、団体内部の人間をその政党の組織内候補者にさせて支援し投票し当選させる。そして、外部から政策を働きかけるだけではなく、その議員を通して政党内部からも政策を実現させるように行動することもある。

 以下、主な利益集団を挙げておく。

? 自民党系

・ 日経連(業界団体)
・ 経済同友会(業界団体)
・ 日本会議(保守系団体・宗教系)
・ 日本医師会(業界団体)
・ 日本歯科医師会(業界団体)
・ 日本看護協会(業界団体)
・ 日本遺族会(業界団体)
・ 霊友会(宗教系) など

? 民主党系

・ 連合(日教組、自治労、UIゼンリン同盟、自動車総連など)(労組)
・ 部落解放同盟(業界団体)

? 公明党系

・創価学会(宗教系)

? 共産党系

・全労連(全教など)(労組)

? 社民党系

・全労協(国労など)(労組)


以上のように、特定の政党を支援している団体が多いが、立正佼成会(宗教系)のように、自民党と民主党をどちらも支援し、両方に組織内議員を送り込む場合もある。


3)問題点

 このような利益集団は、選挙において、その組織の大きさを利用した組織戦を展開し、安定した大量の組織票によって、組織内議員を送り込む。そうすると、投票総数のうちこれらの利益集団による票数の割合はそう高くはないにもかかわらず、政党の目線は、一般の国民ではなく、これら利益集団に向いてしまいがちである。結果、選挙による実際の民意と乖離した政策が行われる可能性が高くなる。よって、民主主義が完全に機能いるとはいえなくなる。
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